【参加レポート】I-JET 2025 in 福岡:初参加の感想と成果

スキルアップ
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5月10日~11日に福岡で開催された、第33回I-JET(日英・英日翻訳国際会議)に初めて参加してきました。翻訳を学び始めて5年、フリーランス翻訳者として活動を初めて3年、初めてオフラインでの翻訳関連イベントに参加しました。

実は昨年、2024年にATA(米国翻訳者協会)が米国オレゴン州で開催したカンファレンスに参加したことがあるのですが、今回は日本でのイベントに初参戦です!

ATAカンファレンスの様子はこちらからご覧ください。

イベントの様子や今回の学びをここでシェアしたいと思います。翻訳を学んでいる方や翻訳者を目指している方へのヒントになれれば幸いです。

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I-JETとは?

参加するメリット                         

I-JETとは「英日・日英翻訳国際会議(International Japanese-English Translation Conference)」のことで、JAT(Japan Association of Translators)と呼ばれる「日本翻訳者協会」が主催する年に一度の国際会議です。

IJET – Japan Association of Translators

2日間にわたり、業界の専門家やさまざまな分野で活躍する翻訳者・通訳者によるセッションが行われ、業界の最新動向、仕事やスキルアップのヒントなどが学べます。また、セッションの参加だけでなく、同業者とネットワークが構築できる場でもあります。

参加を決めた理由と期待すること

私は今回、初めてI-JETに参加をしました。これまでは日々の仕事をこなしたり、講座に参加して勉強したりするので精一杯で、こうしたイベントに足を運ぶ余裕がありませんでしたが、今年は九州・福岡で開催される、ということもあり、参加を決めました。

私は沖縄在住のため、福岡での開催は東京開催よりも気軽に足が向きやすかったです。さらに、昨年アメリカでATAカンファレンスに現地参加したことで、やはりこうしたイベントに現地で参加することの意義の大きさを実感したことも、今回の参加の後押しとなりました。

イベントで同業者とネットワークを構築することで仕事につながったり、困った時の助言がもらえたりと、今後の仕事で役に立つ、ということはよく聞く話です。私にとっては翻訳者として最初のネットワーキングの場となることを期待して、参加を決めました。

興味のあるセッションももちろんありましたが、セッションの参加だけでなく同業者とのつながりも持てるよう、次のことを意識してイベントに臨みました。

 

 ・人見知りはほどほどに、できる限り自分から話しかけてみる

 ・SNSで名前と顔が一致している人には自分から話しかけて名刺を渡す

 ・翻訳会社の方がいれば、営業を兼ねて名刺を渡しに行く

私は、社交的な場にどうしても苦手意識がありますが、それでも自分なりに楽しみながら、最低限の収穫は得られれば、という思いで福岡に向かいました。

イベントの様子

セッションなどのイベント本番は5月10日~11日の土日に開催されますが、前日の5月9日から任意参加による観光ツアーや「前夜祭」と称してイベント前に参加者と交流できる場も設けられていました。私は前夜祭から申し込み、イベント前夜の交流会に参加しました。

しかし交流会ではあまりの参加者の多さと、会場である「バー」の雰囲気に飲まれてしまい、前夜祭は思うようには楽しめなかった、というのが私の正直な感想です。バーのような音楽が鳴り響いている場所だとなかなかゆっくり話すことは難しく、1時間足らずで会場を後にしてしまいました。それでも数名の方と名刺交換をして初めて同業者と交流できたのは良かったです。

若干の不安と緊張を抱えたまま、イベント当日は会場へ向かいました。

今年のI-JETは250名ほどの参加者が集まったそうです。日本国内だけでなく、さまざまな国から参加している方も多くいました。アメリカをはじめ、ヨーロッパやオーストラリア、マレーシアから参加している方とも出会いました。

世界中から翻訳者・通訳者、また翻訳会社などの企業の担当者がこのイベントに一堂に会していて、大きなイベントであることを実感します。

また、今回のイベント会場はヒルトン福岡シーホーク。セッションへの参加だけでなく、2日間のランチブッフェと土曜日夜の懇親会も含まれており、今年はホテルのブッフェを楽しめたのも嬉しいポイントです。

セッションの合間にI-JET実行委員会の方とお話できたのですが、その方いわく、今回のようにホテルのブッフェも含めることができたのは本当にラッキーなことだったようです。通常、食事は別途あるいはお弁当を配布しているそうです。今年はホテルブッフェも込みでイベントを楽しめたので本当に充実したイベントでした。

参加しての感想と得られた成果

参加したセッションと学び

 今回、私は2日間で以下のセッションに参加しました。

 ・基調講演:SHOGUN 脚本翻訳の裏側

 ・元先延ばし常習翻訳者が語る、翻訳者向けの時間管理術

 ・Enslave AI Before It Enslaves You(AIに支配される前にAIを支配する)

 ・Rage Against the Machine: A Case Against LLMs

 (機械翻訳に対する怒り:LLM(大規模言語モデル)への批判)

 ・The Human “Plus Alpha” in the Age of Generative AI(生成AI時代の人間+α)

 ・ゲーム制作会社におけるローカライズ事例

 ・JATとアドボカシー(提言)活動、個人翻訳者団体として何ができるのか

 ・memoQのご紹介 ー AIも活用した翻訳者のための便利な機能紹介

 ・+αの強みで考え、拡げる通訳翻訳業
   ~英日+ドイツ語という三本軸から見えてくる面白さと可能性~

こうやって列挙してみると、さまざまな分野、角度から「翻訳」を仕事として、商品として見つめ直すことができたな、と感じます。

脚本翻訳の世界

今回のI-JETで一番の目玉は、「SHOGUN 脚本翻訳の裏側」と題した基調講演でした。アメリカの優れたテレビ番組などに送られる栄誉ある賞、エミー賞で最多部門を受賞し、かつ日本人俳優として初めて主演男優賞と主演女優賞を受賞して一躍話題となった時代劇ドラマ『SHOGUN将軍』を「翻訳」という視点からお話を聞けるとのことで、とても注目されていました。この基調講演は有料で一般公開もしていたようなので、その注目度の高さが分かります。

今回のI-JETは初参加の方が多くいらしていて、この基調講演を目当てに参加したという方も多かったです。私もこの基調講演はとても興味があったセッションのひとつでした。

私はエンタメ関連の翻訳には携わっていませんが、それでも勉強になるお話をたくさん聞けました。

特に印象に残っているのは、脚本翻訳者の方の地道な調査作業。『SHOGUN』は、英語の脚本を日本語に翻訳してできた時代劇ドラマです。現代ドラマでも「英語」→「日本語」の翻訳をするのはそれなりの労力がかかります。しかしこのドラマは時代劇です。「日本語」を現代の言葉ではなく「時代劇調」にセリフを翻訳する必要があります。

(さぞかし歴史に詳しい方や勉強経験のある方が翻訳されたのだろうな…)と私は勝手にイメージしていたのですが、翻訳された方は時代劇の翻訳は初めて、しかも特に歴史を詳しく勉強されてきたわけでもなかったそうです。

そんな中、どんな風に翻訳に取り組んだのか。そのお話は翻訳スキルを磨く上でとても勉強になるものばかりでした。「時代劇調の語彙」を補うために、

・類語辞典を使って「現代語」から「時代劇」にふさわしい語彙を探す

・その語彙が使われていた年代も調べて本作の時代と照らし合わせる

・Kindle版の小説をコロケーション検索として活用する

という作業をひとつひとつ行い、「時代劇調に訳す」という翻訳筋力をつけていったとのこと。

この作業、想像しただけでも気が遠くなりそうな地道な作業です。担当された翻訳者の方には本当に頭が下がります。

脚本翻訳者はドラマ制作の現場に出向くことはないですが、常に現場の状況を探りながら日々変更されるセリフや脚本をその都度すぐさま翻訳して、また現場が回るようにしていく、というリアルな裏方のお仕事を垣間見ることができました。

ドラマ制作の「サポート」「裏方」という言葉だけでは言い表せないかなりの労力がかかっていることを感じずにはいられません。文字通り「縁の下の力持ち」の存在です。私は翻訳者としてここまでできるだろうか、とお話を聞きながら圧倒されっぱなしでした。

ただ、「調べ物を怠らないことが翻訳筋力をつける」「チームの一員として次の走者が仕事をしやすいように意識する」という点は、翻訳の仕事をする上で大事なポイントとして改めて認識できました。日々の仕事で忘れずに意識しておきたい点ですね。

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AI翻訳について思ったこと

数あるセッションの中で、やはりAIに関する内容が多くありました。上記にあげた私が参加した9つのセッションの中でも、そのうちの4つは生成AIに関した内容でした。

各セッションに参加して、巷でさまざま言われるAI翻訳・機械翻訳に関していくつか気づきがありました。

AIもあくまで「人が使うツール」であり、AIを使ったその先にも「お客様は人」である、ということです。

言われてみれば当たり前のことなのですが、「AIに仕事を奪われる」という「対・AI」の視点ばかりに気を取られ、「対・お客様」の視点を忘れてしまいがちであることに気づきました。

 

各セッションのお話の中で印象に残っているのが、

「AIが仕事を奪うのではなく、”人間が” AIに仕事を与えることで人々から仕事を奪おうとしている」
「AIのことをあれこれ考えるのではなく、AIを使う人(相手)のことを考える」
「生成AIが結果を生み出しているわけではなく、人々が結果を求めているから人はAIを活用するのであって、AIは人々の利益のために利用されているに過ぎない」

AIに翻訳の仕事が奪われる、AIは翻訳に使える or 使えない、という話ではなく、AIを使った上でどんな結果が求められているのか、と考えることの方が大事であることが分かりました。

クライアントがAIを使っていたとしても、AIを使ったその先にクライアントは「何を求めているのか」という視点を常に持ってクライアントと接していけるようにしたいですね。

AIに仕事が奪われることを恐れるよりも、クライアントとのつながりを大事にする、クライアントとの信頼関係を構築することに意識を向けるべきだということに気づかされました。

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ひとつ、AI翻訳に関するセッションで面白い実験がありました。

歴史的に貴重な日本のある品物について説明した2つの英文を読み比べて、どちらの文章が好みか?というアンケートが取られました。

同じ内容のことを書いた文章ですが、書き方や表現が異なる2つの文章です。それぞれの英文に対してどんな印象を受けるか、参加者が意見を交わします。「Aが人間翻訳でBが機械翻訳だ」「いや、Bの方が人間らしい」という議論から、「Aは英語ネイティブが翻訳した」「Bは日本人が書いた英語のようだ」といった視点まで、聞いているだけでも「そんな見方があるのかぁ…」と面白い意見が飛び交っていました。

実際はChatGPTが書いた英文と人間翻訳の英文、という違いでしたが、ChatGPTが書いたと知らなければ自然に人間が書いた文章として読めてしまうことが分かりました。ただし、決定的な違いとしてChatGPTが書いた英文には事実と異なる点がひとつ紛れ込んでいるとのことでした。

いまやAIで人間が書くような文章も作れますが、自然に作れてしまうからこそ、事実確認や正確性といった点は、AIが書いたとしても人間によるチェックや調整、判断、評価が必要であることを改めて実感した瞬間です。

AI技術は凄まじいですが、それをコントロールする力、状況に応じた判断力や調整力、修正力はAIが発達しても人間に求められる能力であることが分かります。

翻訳+αを模索してみる

私はフリーランスとして翻訳で生計を立てていますが、これから先もフリーランスとして長く食べていくことを考えると、「単に翻訳ができるだけではどこかで行き詰まってしまうのではないか?」という不安を常に抱えています。

そんな中、自分にとって「+αの強み」を考えるために、

「+αの強みで考え、拡げる通訳翻訳業~英日+ドイツ語という三本軸から見えてくる面白さと可能性~」というセッションに参加しました。

このセッションは、「英日独」の三か国語を操る翻訳者の方によるセッションです。

(3か国語できれば、そりゃあプラスαになるよな、英語以外でも仕事ができるんだもの…)私は当初、そんな風に思っていました。3か国語を話せない自分には無理な世界。今からまた別言語を習得するのはコストが高すぎる。そんなことを思っていました。

しかし、他言語を扱うこと以外にも「+α」は作れるかもしれない、と思わせてくれたセッションでした。

「翻訳」から派生して、DTP(Desktop Publishing:パソコン上で印刷物のデータを制作する技術)作業を請け負ったり、通訳業務や展示会のサポートをしたり、海外企業の日本進出支援(または日本企業の海外進出支援)、市場調査、コピーライティング等、異なる国の間に立って橋渡しを行うトータルコーディネート的なことができるという事例を教えていただきました。

翻訳が発生する前後を考えて翻訳以外の+αを提供できないか考えてみると良い、とのことでした。

私なら何ができるだろうか…?

どれもやはり専門的なスキルが必要な気がします。やはり翻訳以外のスキルがある人は強いです。翻訳とかけ合わせれば仕事の幅が広がります。

私の場合、今考えられるのは、コピーライティングやマーケティングを学ぶことでしょうか。翻訳以外のサービスをすぐに何か提供できるわけではないですが、今のクライアント案件でもコピーライティングのような翻訳やマーケティング要素のある翻訳を依頼されることも多いため、そういった翻訳をマーケティングの知識を持った上でフィードバックできれば、付加価値がつけられそうです。

実は、このIJETの参加前後に既存のクライアントから新しいプロジェクトへの参加オファーがありました。いつも受注しているのはマーケティング要素のある翻訳を「翻訳者」として受注して納品していましたが、今回は「翻訳者」というよりも「コピーライター」として参加してエンドクライアントととも密に連携してほしいとのご依頼。しかもライティングだけでなく、競合他社を分析したり、日本のマーケット調査をしたり、会議に参加してマーケティングの視点から助言してほしいと。

翻訳者という立場で文章をブラッシュアップしたり、原文があってコピーライティングしたりするのであれば受けていましたが、今回は詳細を聞けば聞くほど、よりマーケティングの知識、スキルが求められること分かり、今の自分では貢献できないと判断して残念ながら辞退してしまいました。

こういうチャンスに思い切って飛び込むには、ある程度の知識や経験、スキルはやっぱり必要だと感じます。できるところから少しずつでも自分の守備範囲を広げていけたらいいですね。

フリーランスのやる気スイッチ

最後に、翻訳業務以外での日々の生活の生産性について考えてみます。

フリーランス、と聞くと自由でキラキラしたイメージがありますが(以前の私もそう思っていました)、会社勤めではない分、自分で自分の仕事をマネジメントしなければなりません。

誰も監視する人がいない中、自分で自分を律して仕事をするのはときに労力がいります。気を抜くと一気にだらけてしまうのは、私も例外ではありません。フリーランスは自分が動かないと収入がありません。ただし目先の収入を追いかけて仕事ばかりしてしまうとどこかで疲弊してだらける、というまた負のループに陥ってしまいます。

「せっかくフリーランスになったのだから、もっと有効に時間を使いたい」。そんな自分の課題を解決するヒントを求めて、「元先延ばし常習翻訳者が語る、翻訳者向けの時間管理術」というセッションに参加しました。

このセッションでは、すぐにマネしたいアイデアばかりで面白い内容でした。

集中力を高める手法として有名なポロモード(25分作業して5分休憩)をはじめ、

・作業中、気になったことはとりあえずメモしておく

・集中できる「音環境」を整える

・取り掛かるハードルを「元気な時に」下げておく

・「やらなきゃ」を「やりたい」に言い換えて自分に言い聞かせる

・一気に頑張るのではなく、短い休憩をこまめに取る

・仕事以外のやりたいことリストも含める手帳術

など、今の自分に言い聞かせたいことばかりでした。

紹介されたアイデアはすでに自分の生活で取り入れているものもあれば、今まであまり考えることがなかった「音環境」について気づきがあったり、やる気が落ちることを見越して「元気な時に」ハードルを下げておいたり、先延ばししない技術を新しい視点で得られたのは大きな学びでした。

特に印象に残っている言葉が、「先延ばししている時のストレスは、仕事自体のストレスよりもはるかに高い」ということ。取り組むことがストレスだと思っていたのに、それ以上に先延ばしすることがよりストレスを高めていたなんて。知らず知らずのうちに自分にストレスをかけていたのかも知れません。

この事実を知れただけでも、今後の行動を変えていけそうです。 

IJETの帰宅後からさっそく、仕事への取り組み方を少しずつ工夫しています。毎日やる気で満ちあふれているのが理想ですが、それは現実的ではないですね。モチベーションが下がる日もあることを理解した上で対処策を用意して、少しでも後回しすることによるストレスを軽減していきたいです。

ネットワーキングの重要性

初めての名刺交換

今回、IJETに参加して初めてしっかりと名刺交換をすることができました。昨年、ATAカンファレンスに参加した時はなかなか他の参加者との交流ができずにいましたが、今回は「同業者の方と頑張って交流する」ことを目的に参加したこともあり、その目的は達成できたと思います。

今回のIJETでは合計17名の方と名刺交換することができました。

コンテンツ制作会社や翻訳関連の企業の方、観光業界の企業にお勤めの方から、私のようにフリーランスで翻訳をしている方、英語以外の他言語翻訳をされている方、翻訳会社勤めから最近フリーランスとして独立された方まで、さまざまバックグラウンドをお持ちの方とお話できてとても刺激的でした。

また、日本人だけでなく、海外から日本に移住された外国人の方、海外在住でこの日のために来日された方など、世界中から翻訳者が集まってきていたのは、改めてこのイベントの大きさ、翻訳者のネットワークの広さを感じました。

ネットワーキングの成果

名刺交換をしたからといって何かがすぐに得られるわけではないですが、少なくともSNS でつながっていた方とは初めて顔見知りになることができたのは嬉しかったです。企業の方と名刺交換ができたのは、多少営業にもつながったかな、と思います。

IJETから帰宅後、名刺交換をさせていただいた企業の担当者の方からさっそく、翻訳者として当企業に登録しないか、とのオファーをいただきました。

こんなことって本当にあるんですね!一度直接会って会話をしているので、メール上でもとてもスムーズに話を進めることができました。

まだ実際に案件を受注したわけでもないですし、これからどれだけお仕事をいただくことになるのかも分かりませんが、IJETに参加したことで新しい出会いと新しいお仕事のチャンスに恵まれたことはとても嬉しく思います。

私はこれまで、翻訳会社との契約は基本的にメールですべて完結しておりました。海外との取引が多いというのもありますが、お取引先と直接対面するどころかオンラインでも顔を合わせたことがないケースがほとんどです。そんな中、ほぼ初めて直接対面できたお取引先となりました。

オンラインでほとんどのことが完結できるとは言え、やはり可能な範囲で取引先や同業者と直接顔を合わせる機会をこれからも作っていきたいですね。

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今後のキャリアと次回の参加に向けて

参加後の振り返り

今回のIJETでは非常に興味深い講演を聞くことできました。新しい発見や改めての気づき、これから仕事をしていく上で大事にしたいことなど、色々と考えさせられました。

皆さんそれぞれ輝かしいキャリアや実績を築いている一方で、私には何ができるのだろうか、と自分に対する期待と不安が入り混じった感情になりました。

各セッションに参加する中でひとつ、最後まで心に引っかかっていたことがあります。

翻訳の可能性翻訳者としての可能性は、今回さまざまな事例を知り、これからも広がっていくのだろうと思いますが、「翻訳者への報酬」という視点で見るとやはりまだまだ一筋縄ではいかない、ということです。

『SHOGUN』のようにどんなに世界的な大きなプロジェクトに参加しようと、AIに負けない質の高い翻訳を提供しようと、または翻訳の枠を超えて通訳業やコンサル業、他言語翻訳、など活動を広げても、翻訳者としての報酬は「労力に比べるとそんなにもらえるわけではない」というのがお話の中から垣間見えたのが気になりました。

翻訳のスキルやアイデアのお話はあっても、翻訳をビジネスとして捉えたり、収入アップの視点で考えたりすることが少ない印象を持ちました。

やりがいだけでやっている人ならば問題ないのかもしれませんが、翻訳もビジネスのひとつ、仕事・キャリアのひとつとして、やりがい搾取にならないようにしていく必要があると思います。

私も個人事業主として翻訳を生業としている身として、この先廃業とならないように売り上げをキープ、またはさらに伸ばせるよう常にアンテナを張っていたいと思います。

今後に向けて

今回のIJET参加を通して、翻訳の価値を改めて知ることができました。翻訳者としてこの先もプロフェッショナルな仕事を提供できるように努力をしていきたいと思います。

翻訳だけでなく、AI技術ともうまく付き合いながら、クライアントのコミュニケーションも大事に、求められていることを常に探りながら、翻訳者としてのキャリアをこれからも着実に築いていきたいですね。

そして、個人的には翻訳者仲間を増やしていきたいです。これからもオンラインだけでなく、チャンスがあれば現地でのイベント参加や交流会にも積極的に参加してみようと思います。

来年のIJETもできれば参加したいと考えていますが、次回のIJETはなんとオーストラリアのメルボルンで開催されるそうです。IJET参加を兼ねてオーストラリア旅行を計画しようか…?考えるだけでなんだかわくわくしますね!

次回も参加するかどうかまだ分かりませんが、また参加できるように今回学んだことを活かして、自分の仕事レベルを上げて、翻訳の価値を提供できる仕事をしていきたいと思います。

IJETに参加したことがない方、以前の私のように参加しようかどうか悩んでいる方にとって、少しでもIJETの雰囲気が伝わっていれば幸いです。

社交的な場が苦手な方でもあまり気負わずに、純粋に「あの講演を聞きに行こう」、「まずは5人と名刺交換してみよう」、「いつもSNSで見ているあの人に挨拶しよう」、と何か小さな目的、目標を持つと参加しやすくなるのではないでしょうか。

今回の出会いと学び、感じた刺激と可能性を大事に、引き続き翻訳に向き合っていきたいと思います。

福岡は海鮮もおいしい、ということを知りました!


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